借用書とは?
借金に関連する書類は相手が不履行したときの備えに用意するものです。
それは即ち、証書を取りかわすお金についてお互いを信用しないという意味を持っています。つまり逆にいえば、お互いが信用できるのなら借用書を書こうなどと思うことはありませんし、わざわざ検索してまでこのようなくだらないサイトを見てるとは考えられません。
このような意味を含んでいるので、借用書が必要な相手にはカネを貸さないことが大原則です。
貸し借りは基本的に当事者の同意が全てであり、利息や支払期日などはお互いが守ればよいのであって、約束が守れるのならあらたまって書面を作る必要はないのです。(気分的なことは別の話です)
しかし人間は、忘れる・とぼける、といった悪性をもっています。
カネは魔物でもあるので状況によっては人格さえ変えてしまうことすらあります。そういう可能性に備えて必要な部分を書面に残しておくのが借用書です。あるいは「当初と状況が変わってきた」という理由などで後で作成しても問題ありません。
借用書の勘違い
借用書があればお金は返してもらえる
と思われている方が数多くいらっしゃいます。あるいは借用書が無いのでお金は返してもらえないと思っている方も少なくないようです。
ですがこれらは実に勘違いでして、お金を返してもらうときに用いるものは借用書ではなく請求書です。
「借用書があれば返してもらえます」というのは「未成年者がタバコを吸うわけがない」と同じくらいリアリティがありません。
貸主の請求に対して借主が「知らん」と否認してきたとき、貸した(相手が借りた)証拠となるものが借用書です。つまり借用書を持っていれば、貸したことだけはスムーズに証明できます。
しかし借用書の効力はそれ以上でもそれ以下でもありません。
ここで書いてもピンときませんが、このような状況になるときは既にお互いの信頼関係は吹き飛んでいるはずです。
つまり要するに、証拠があることと返してもらえることは全く別の話なのです。
本質的な意味が違うケース(当カテゴリではとりあげない)
借用書は相互不信の証と書いていますが、違う意味合いで作成することもあります。
借用書は「譲渡ではない証明」でもあるので、例えば親から子への金銭受け渡しであった場合、これがあげたのか貸したのか(あるいは返済なのか)では税法上の扱いが変わってきます。
特に相続が絡んでくると債権が異動(譲渡や放棄)するので権利関係を証明するために借用書を用いることもあります。