延滞するとこうなります

無担保無保証のカネを払わないとどうなるのでしょうか?

順を追って信用貸付の恐ろしさを見てみましょう。

このページの内容は1995年から2004年頃までに一般的なサラ金業者で行われていた回収業務ですが、2010年時点ではどうなっているかはわかりません。

最初の数日間 (延滞初日~1週間程度)

自宅に電話がかかってくる

確かにサラ金の連絡は紳士的には違いありませんが、関係を名乗らない人物が用件も言わずに「電話するように伝えて」となると不審がらない人はいないと思います。

自分のケータイにかかってくるだけならいいですが、配偶者や同居人の耳に入ればいちいち説明を要求されるでしょうしね。

会社に電話がかかってくる

これも自宅と同じです。

取引の電話で社名を名乗らないことはありえませんので誰が聞いても不審に思います。鈍感な会社だと私用電話と思われますが、どちらにしても気分のいいものではありません。

よく「会社への電話はやめてほしい」という人が多いですが、サラ金側の言い分は「やめてほしければカネ払え」なのでやめるわけがありません。

もっとも、「やめてほしい」と言うからこそ会社なり自宅へ電話するのです。

請求書が届く

顧客のプライバシー保護と社名封筒は実のところ全く関係ないのですが、それでも世間体の問題からか大手中堅のサラ金は請求書の封書には社名を記載せず、担当者の個人名、もしくは「還付先」という住所のみを記載します。

なら請求書が届いてもサラ金から借りてることはわからないので安心・・・・ではありません。

サラ金の請求書は経費節減のために郵送料負担の少ない圧着ハガキや郵便書簡を多用します。

でも、こんなモノをただの一般人が使います?

請求書は毎日膨大な数を発送します

ということは、コンピューターなりで印刷されるということです。コード番号つきの宛名。裏を見ても差出人が個人名になっているあやしげな郵便物・・とてもDMや私文書の類には見えません。

あなたが配偶者宛に届いた「それ」を受け取ったとき、中を見たくなりませんか?

★ここまで

多重債務でなければごまかしもききますが、毎月支払日を忘れていると定期的に同じ状況が訪れます。

ちなみにクレジットカードの延滞はこの期間に何があるかというと、「口座再引き落とし」の通知が1枚届くだけです。

延滞1週間~2週間

電話が執拗になる

以降の電話連絡はそれまでの内容とは違い、話が込み入ってきて、なぜ払わないのか、収入はあるのか、といった内容になってきます。

延滞顧客の言い分は皆々一様なので、ウソや同情を求めても全く相手にされません。

電話口に身内がでた場合は借金の内容をバラしてしまいます

もちろん取引内容をバラすのはダメなのですが、この段階になるとサラ金側は「払うモン払ってから言ってくれ」になってきます。

ここで「取引内容の第三者開示は違法だ」なんて言っても誰も相手にしてくれません。 

裁判ですか? 一体だれがどんな訴状を書くんですかね?

付け加えれば、開示していけないのは「取引の内容」であり、社名を言うことによって相手が勝手に想像するのは関係ありません。

第一次身辺調査

戸籍調査は目に見えないところですが、自宅近隣や行きつけのお店に生活状況の聞き取り調査が入ります。

この段階で社名がでてくることはありませんが、それをやるのはひとつの業者だけではないのですから・・・

延滞2週間~1ヶ月

電報がくる

ビックリしますわな。

電報は借入事実の漏えいと精神的抑圧が目的なので、同居人が受け取った場合はここで間違いなく借金がバレます。

これを無視できるようになる頃には無気力か相当なタチ悪人間になっていることでしょう。

親族に連絡がいく

本人から近い親族(主に両親)から連絡がいきます。この段階では申込時に申告した実家などの連絡先です。

サラ金慣れしている人やアングラなサイトで短絡的な知識を身につけた人は実家などを申告しないこともありますが、住民登録などで勝手に調べ上げてしまうので意味はありません。

さて、あなたは普段から実家や親戚と連絡をとりあっているでしょうか?

普段から頻繁な交流があればテキトーな理由でごまかすこともできるでしょうが、特に親戚なんかに連絡が行くのは本来筋違いなことです。さらにそれは尾ひれをつけて本人の実家に伝わり、正月などの年中行事ではそこに集まる人の誰もが知っている事態になってしまいます。

取り立てがくる

ここでようやく自宅に来ます。

業者の側からすれば手ぶらで帰るわけにはいきません。仮にここまでサラ金の借金を隠しとおしてきたとしても完全にバレてしまいます。もちろん長々と滞納していることも。

なので家族間でテキトーな言い訳ができなくなります。

その後 (延滞1ヶ月~)

親族に請求がいく

この段階での親族への連絡は完全に回収が目的です。

本人以外には請求権がないので「払え」とは言いませんが、払う気になるように誘導し、払う気になるまで継続します。

これは本人への請求行為と何ら変わりないので、受ける側としてはサラ金よりも、むしろカネを払わない本人に対して怒りを覚えます。

プライバシーを調べ上げる

戸籍に関しては前住所はもとよりありとあらゆる形跡を洗いなおし、そこに関係者の形跡があれば請求対象とします。隣近所はもちろん勤務先の取引先や配偶者の勤務先まで調査は及び、調べた先には当然電話し、状況によっては訪問します。

この作業は消しこみ方式で行われるので、延滞の期間が長ければ長いだけ数多くの関係者が炙り出されます。

すると今までは本人の身内だけが非難の眼でしたが、以後は同居の家族全員が行く先々で好奇の視線にさらされることになります。

取り立てが執拗になる

この段階で取立に来るということは所在確認が取れているということです。(空家が確認されれば何度も訪問しない)

事故情報の掲載

3ヶ月と12ヶ月経過時点で事故情報が載ります。(一応の基本)

こうなるとその後に支払いをしてもマークが「延滞解消」に変わるだけで消えません。

消えないと新たに借金できないのはもとより一般のローンも組めなくなるのでクルマとか買い換えるときに困ります。

払わなければ私生活を蹂躙される・・・それが信用貸付

普通のサラ金はマンガやドラマのように連日のように取り立てに行ったり1日に何回も電話をするようなことはしません。督促電話は1日に1~3回、中長期延滞者の個別訪問は月1~4回程度です。

この程度(?)であれば、よほどの悪質行為でもない限りサラ金で滞納している事実は「自宅」の外にバレることはないと思います。

ですが、仮に5件の業者で滞納していたとすると、1日の督促電話は2回×5社=1時間に1回以上電話が鳴り、月10回=3日に1回は取り立てが来るわけです。

特に督促電話は「連絡が取れそうな時間帯」に集中するのですから、たとえ個々の業者がプライバシーに配慮していたとしても結果的に猛烈な取り立てを受けることになります。

自ずとそれは勤務先や隣近所に知れ渡り、配偶者や子供の生活エリア、あるいは別居の親族にまでいきわたるとどこに行っても肩身の狭い思いを強いられます。

こうなると同居の家族は人目を忍んで外出し、用がなければ窓を閉め切った家に閉じこもるしかありません。もちろん帰省なんてできません。

当然のことながらこんな日常に常人が耐えられるわけがありません。仮に子供が自立できる年齢なら当然のごとく家を出ていきますし、それは配偶者にしても同じ。

これが無担保無保証=信用貸付の実態です。

カネがないから払えない・・は通用しない

なぜならば・・カネがないのに何故に1ヶ月以上も生活ができるのか?

何故に払えないなら破産の手続きをしないのか?

これを放置すると、ふとカネができたとき、抑圧されてきた人間がどういう行動をとるのか?

  • 普段より豪華な食事をする
  • パチンコに行く
  • そのとき取立に来ていた業者に払う

というのが普通の人間です。

つまり、「カネがないから払えない」を見逃すのはサラ金業者にとっては単なる獲り負けに他なりません。

ですから取立行為はカネを払うまで延々と続きます。

逃げるには社会性を捨てなければならない

ということは逆に、社会性を捨てきれば逃げられるともいえます。

実際のところ本人に対するプレッシャーは自宅に来る取立だけなので、行方をくらませれば見かけ上開放されます。クルマだってローンが組めなくても友人に自動車ブローカーでもいればまわしてもらえます。

実際、自分ひとりだけならサラ金の借金を踏み倒したところで致命的に困ることはないわけです。

いわゆる「踏み倒そう」的なサイトやブログはそういう尺度で書かれています。

しかし、その裏でサラ金は「誰か」から回収をしていますし、回収に至らなくても徐々に関係者を蹂躙しているのです。

借金の金利と同様に踏み倒した人生にも利息がついています。

さて、それがまわってくるのが3年後なのか10年後なのかは知りませんが・・・・