クレジットカードと手数料・「とりあえず5パー」業務の本質は回収代行

いきなりですが、カード屋本来の業務は回収代行です。

といってもこのサイトを見ている方の想像する回収代行のことではなく、ケータイ料金とか自動車ローンなどの月賦支払いの請求業務の代行のことです。

取引=掛売を基本概念とし、それに関する請求業務と入金確認業務、さらには未払いリスクの引き受けをを請け負ってその手数料をハネるのがカード屋本来の姿。

手間とリスクを被るわけですからそこに商売が成り立ちます

その話を一般企業間取引のみではなく、個人商店と個人客の取引にまで浸透させたのがクレジットカード業界。

つまり、カード屋本来の利益の根源はこの取引における回収代行手数料であると言えます。

とりあえず、5%

カード屋は回収代行業務を行っている会社=カード取り扱い店舗のことを加盟店と呼んでいます。

そこで、カード屋は加盟店からいったい幾らの手数料をハネているのか?

実はこれが、ほとんど定価みたく決まっております。付け加えれば、消費者階級を相手にする業種では珍しく価格破壊が浸透していません。

この手数料。 (商業手形と同じ意図で「割引率」と呼ぶらしい)

一般には・・・

「物」は5%、「食」は6%、「飲」は7%

1万円の支払いをカードでやられるとお店の側はカード屋に¥500も持っていかれてしまいます。キャバクラで2万円の飲み代をカードで払うと¥1,400分は女の子が泣くのかもしれません。(←それはない)

まぁこれが惜しい、と考える商店主の方は多いですが、売り掛けを日常的に行ってる人からすれば涙が出るほどありがたい話であります。さらにはカード利用客は現金客よりも2~3割程度客単価が高くなる傾向があり、ガソリンスタンドではカード客の方が現金客より安いってトコロも数多くあります。

実際のところ、これが高いと思うかか安いと思うかは経営センスの問題でもあります。

とにもかくにも1取引あたり5パーの手数料をハネる。

1店1日1万円のカード売上があるとすると・・・・

国民1人1人から1円ずつ徴収すれば1億5千万円になると同じ考え方ですね。

カードと加盟店はクルマの両輪

カード屋はほとんど非稼動収益が基幹なのですが、それでも「カードを取り扱う加盟店」と、「カードを使うカード会員」がいないことには全く売上があがらない業界でもあります。(取引が発生しないと利ざやが生まれない)

そこでまず、「加盟店」の募集ですが、カード自体の知名度や流通がなければ5%は非常に高く感じます。

そこで「カード会員」を募集するのですが、カードを使える「加盟店」がなければカードなんか持っていても意味なんてありません。

となると「ニワトリが先かタマゴが先か」の堂堂巡りになってしまいます。(※2006年6月頃に「タマゴが先」という結論になったようなので適切な例えではないです)

ところがカード屋の利益体質は非稼動収益が主。

一度カードを持たせるなり加盟契約をとってしまえば、後は寝ていても利益は転がり込んできます。それをわかっているのでカード屋の新規開拓業務は一般の企業が考えもつかない程の莫大なカネをかけます

それゆえにクレジットカード会社のシステムを模したMLMは絶対に成功しないです。

人間は、一度持ってしまうとなんとなく使いたくなる生き物らしい

根拠たるデータは持ってはいませんが、現在の業界序列を見ると、どうやらこれは真実のようです。

おまけな余談~手数料を利用者に被せるお店

加盟店にかかる手数料をカード利用者(つまり我々)から徴収するお店は数多くあります。

実は、カード利用者から手数料を徴収することは加盟店契約の規約違反となっていますので、『カード利用の際は5%増デス』なんて請求は断ることができますし、お店がゴネてきたらカード屋に苦情を言えば最終的にはお金を返してもらうことができます。

・・・が、薄利の商品に5%も持っていかれたら商売あがったりなのも事実なので、『こんな店二度と来るか~』ってなケース以外は寛容なココロで払ってあげるのがオトナというものだと思います。

でも、正規カード会社の規定価は最大でも7%なので、10%とか言い出したらゴネるべきでしょう。