請求とは?
請求というのはその名の如く、「カネを払ってもらいたい」という意思表示です。
自ら払ってくれない相手には請求しなければ、、、カネは返ってきません。
請求とは「そろそろ返してくださいよ~」というような連絡的な意味で用いる語句であり、遅れている相手を急かすときは「督促」と呼ぶのが本来です。
なのに督促状の書き方いうキーワードで調べている人はあまりいないようです。
請求基本5項目
よく誤解されるのですが、請求とはいわゆる「お金払ってください」だけではダメ。
- 何で払って欲しいのか?
- 幾ら払って欲しいのか?
- いつまでに払って欲しいのか?
- どういう方法で払って欲しいのか?
- 誰に払って欲しいのか?
上記5点を明確にしないと請求したことになりません。
何で払ってほしいのか?
これは言うまでもないのでしょう。貸主が返して欲しいからに決まってます。
決まっていますが、それに到るまでに幾つかの理由や根拠があります。
期限到来
支払いの期日を前もって連絡する意味で請求書を出します。
主に正常な商取引に用いますが、分割払いで前回延滞したときなもプレッシャーをかける手段として行います。普通は口頭で行いますので余程のことがなければ文書にはしないと思いますが・・・
期限遅延
双方が決めた返済期限を過ぎたときには当然請求をします。念のため書いておきますが、この段階において明確な理由もないのに請求しないのは貸主の怠慢であり、商取引なら商売人失格です。
期限利益喪失
「きげんりえきそうしつ」と読みますが、金融業に従事していないと聞きなれない語句だと思います。利益とは即ち、「貸主の請求に対して借主が言い訳できる権利」のことで、具体的な例を挙げると、
- 期日未到来時の請求を拒否できる権利
- 分割払いを要求できる権利
- 遅延利息を免れる権利
- 保証人を保護できる権利
などのことです。
で、どんなときに期限利益が喪失するかというと、それは契約次第ですが、一般的には・・・
- 支払期限を過ぎたとき
- 信用状態に著しい変化があったとき(破産や差押えなど)
- 転居などの状況変化を告知しなかったとき
このあたりを借用書なりに盛り込んで、違反した場合は期限利益喪失ということで一括請求なり保証人に請求したりします。
一口に言えば、借主は支払いが遅れたら即時返済を拒めないと覚えておけば良いと思います。 (ただし、やみくもに行使すると状態がややこしくなるだけで何の得にもならない)
というわけで、多くの場合は、「延滞したから」 が請求の理由になります。
シロウトさんの貸金請求ではこの「請求理由」を相手に伝えていないことが多いようです。最後のまとめで書きますが、これをやってるかやってないかで相手の反応が大きく変わってきます。
幾ら払ってほしいのか?
これは問題ないでしょう。1000円だったら1000円、100万円なら100万円です。
稀にありますが、貸主は1万円でよいと思っているのに100万円払わなければならないと思ってあきらめてしまう借主もいます。
貸主がそれを言うのを忘れてる場合がありますので気にかけておきましょう。ちなみにサラ金社員の口頭請求ではよく忘れられます。
いつまでに払ってほしいのか?
意外と軽視しがちなことです。
というのは、「いつまで」というのは貸方からすれば「今すぐ」なのですが、借方は「できるだけ早めに」と考えており、ここに意識のギャップが発生します。
これは「〇年〇月〇日の何時まで」というように日時を明確に指定しなければなりません。状況によっては借方との話合いも大切ですし、再設定した期日を過ぎたら再度請求行為をする根拠にもなります。
期限再設定→延滞→期限再設定を細かく刻んで繰り返すのが請求行為の基本です。
どういう方法で払ってほしいのか?
状況によっては必要ないかもしれません。主に文書請求か、あるいは電話などの対面請求以外のときに行ないます。
言ってみれば借主の言い逃れを抑止する手段であって、『忙しい』とかで逃さないようにするためです。
通常は持参させますが、双方に距離があれば銀行振込などになるかもしれません。もちろん代理払いのときは「誰が持ってくるのか?」ということにもなります。
誰に払ってほしいのか?
これは言うまでもありません。請求書に自己の連絡先を書くのは当然です。
・・・なのですが、架空請求などのインチキ請求は書いていないことがあります。
まとめ
請求は基本的に「相手の立場」に立って考えます。
但し誤解しないでほしいのは、相手の立場=相手の都合ではないということです。都合は全て貸主に合わせればよく、自分がやられるとイヤなことを相手にやればいいわけです。
払えない借主というのはとかく感情に訴えますが、それに付き合うと手間はかかる、逆ギレされる、結局カネは返ってこない、という事態になってしまいます。
さらに良くないのは、貸主の側が言い訳や泣き落としや開き直りに付き合って感情的になってしまうことです。
ご意見や掲示板を見るところ、こんな感じで多くの人が獲れる貸金をわざわざ獲れなくしています。
相手が泣こうがわめこうが「そんなんは関係ないですね。とにかくお金払ってください」で統一してしまうのが一番確実で手っ取り早く、なおかつトラブルも少ないのが現実。
第三者的に見れば非情な行為に取れるかもしれませんが、だからこそ円滑な回収行為が成り立ちます。
『カネはないので払えない』と言われても請求はする
何故か? というともちろん「支払期日が過ぎているから」であり、それ以外の理由はありません。
他の理由はないですし、他の理由をもってはダメです。
カネがない人に請求すると普通は機嫌を損ねます。機嫌を損ねれば、それはそのまま屁理屈で貸主に跳ね返ってきます。
貸主が他の理由を用いたり感情に訴えて請求すると借主はその言葉尻をとって逆ギレしてきます。
こうなると面倒くさいですよね。
期限が来たら、『払ってください』それ以上の会話をする必要はナシ
さらに遅れても、『払ってください』それ以上の会話は必要ナシ
要するに、『払ってください』以外に言う必要はないです。